海上自衛隊呉資料館(てつのくじら館)

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 海上自衛隊呉資料館(通称・てつのくじら館)に行ってきました。

 この資料館は「海上自衛隊呉資料館」の名前が示すとおり、海上自衛隊の施設です。
 海上自衛隊の資料館としては、他にも

佐世保史料館(通称・セイルタワー、長崎県佐世保市)
鹿屋航空基地史料館(鹿児島県鹿屋市)

 がありますが、それぞれに展示内容を特化しており、てつのくじら館の展示内容は

掃海(機雷がばら撒かれていて危険な水域から機雷を除去し、船が安全に航行できるようにすること)
潜水艦

 の2点に特化されています。

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 資料の中でも特筆すべきは、施設の一部に本物の潜水艦が利用されており、実際にその中を見学できる点です。
(道路向かいの大和ミュージアムからの写真)

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 この潜水艦は、1985年に進水、2004年に退役した「あきしお」が、ほぼそのまま使われています。
 詳しくは Wikipedia をどうぞ。

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 地面に設置されているのは、潜水艦のいかり(マッシュルームアンカー)です。
 使わないときは、本体のくぼみ(写真では半分しか写っていません)にすっぽり収まり、水の抵抗やノイズを防ぐようになっています。

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 潜航時には、ここが開いて海水が注入されるようです。
(これは吸水口で、いわゆるベントではありません)

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 入口です。
 潜水艦をがっちりと支えています。

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 潜水艦をくぐって入館です。

 1階には、海上自衛隊の歴史がフリップで簡単に展示されています。

 呉には、戦前の旧海軍時代から呉鎮守府(通称:くれちん)が置かれており、単なる軍港としての機能だけではなく、軍需工場や兵器開発の拠点としての機能も担っていました。

 敗戦により旧海軍は廃止されたものの、日本近海を安全に航行するためには、周辺に敷設された機雷(B29がばらまいた1万以上のものも含む)を処理する必要があったため、GHQだけでなく日本政府も掃海作業に取り組みました。
 日本政府の掃海担当部署は、海軍省が改組した第二復員省でしたが、その後、運輸省や海上保安庁へと受け継がれ、最終的には海上自衛隊が担当することとなりました。
 掃海部隊が原点となった海上自衛隊は、その後、専守防衛の範囲内で装備と訓練の充実に努め、現在では世界有数の防衛能力を有する隊となっています。

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 内部のエスカレーターには赤色電灯が使われており、潜水艦然としています。

 2階には、戦後日本における掃海の歴史が展示されています。

 終戦後に日本・台湾・朝鮮半島近海にあった7万近くの機雷は、経済復興になくてはならない海運の大きな障壁となって立ちはだかっていました。
 それらを、いかなる努力で除去したかが、克明に展示されています。
 先人たちの努力によって多くの機雷が取り払われましたが、その数はいまだにゼロになったわけではなく、最近では平成22(2010)年に神戸市のポートアイランド沖で機雷が発見され、処分されています。

 また、日本近海の掃海だけではなく、朝鮮戦争に際しては掃海部隊の派遣を行うよう米軍より要請がありました。
 当時はサンフランシスコ講和条約が結ばれる前だったので、日本の主権回復を前進させるためとして、極秘裏に派遣が行われました。
 こうして培われた掃海能力は海外でも高く評価され、湾岸戦争後には、ペルシャ湾に掃海部隊が派遣されました。

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 フロアには、実物の機雷やその種類の説明のほか、掃海艇の後部甲板(ウインチやそれを操作するレバー、機雷を銃撃処分するための機関銃など)を再現したコーナーもあります。

 3階には、潜水艦についての資料が展示されています。

 海上自衛隊初の潜水艦として、アメリカ政府から潜水艦くろしおを貸与され、それによって潜水艦の運用能力を培ったことが展示されています。
 くろしおの1/20断面模型も展示されており、当時の潜水艦の構造を窺うことができます。

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 潜水艦内を再現したコーナーもあり、中にジャガイモが入っている長椅子(有名ですね)、トイレやシャワー、三段ベッドが展示されています。
 真水は貴重なので、トイレやシャワーは海水を使用するなどの工夫により、真水の使用量は一般人の1/20以下に抑えられているそうです。

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 実物の潜望鏡も展示されており、そこから除くと、ちょうど海保の船が……。
(写真は別の場所から撮影したものです)

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 潜水艦内の食事のサンプル。
 潜水艦の中では食べることしか楽しみがないといいますが、かなり豪華です。
一週間分の献立例も展示されており、嫁さんによるとバランスを考えて組まれているとか。

 日本の潜水艦の歴史を戦前から辿ったコーナーもあり、旧海軍のイ58(伊号第58型潜水艦)や、国産初の潜水艦おやしおの模型があります。

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 ちょっと変わった展示としては、周囲の状況を探るためには音だけが頼りの潜水艦にふさわしい聴音ゲームがありました。
 漁船、駆逐艦、テッポウエビ、シャチ、アザラシ、クジラ、戦艦大和の航行音(もちろん本物ではなく、合成で再現したものだそうです)等の中から正解を当てさせるものです。

 3階は、そのまま展示用潜水艦あきしおとつながっており、その一部に実際に入ることができます(残念ながら、ハッチから入ることはできません)。

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 また、外から見えるスクリューも、実物とは違うものがつけられています。
 スクリューは潜水艦最大のノイズ発生源であるため、その形状にはノイズ低減化のノウハウが詰まっているからです。

 退役後とはいえ、実物の潜水艦の中を見ることは普通はできないので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 なお、この施設は、海上自衛隊の広報施設のため、入場料は無料です。


【おまけ】
 お土産コーナーにて。

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 節子、それ「きりしま」やない! 霧島さんや!

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